スピーチをしている人を見ていると、ずっと原稿に目を落としたまま話している人っていますよね。
あるいは顔を上げたと思ったら、聴衆を見るのではなく遠い目をしている人、水泳の息継ぎでもしているかのように一瞬パッと前を見てすぐ下を向く人もいます。
これは本当にもったいないことをしているなと感じます。
なぜなら聴衆を見て話すだけで聴衆はあなたの話を聞きたいという思いが強まるからです。
「自分」に話しかけられていると感じるのです。
ですからスピーチをするときには聴衆と目を合わせるのは必須だと思ってやってみてください。
このページでは
- なぜ聴衆と目を合わせてスピーチできないのか
- 聴衆と目線を合わせてスピーチをするために何ができるか?
この2点を解説していきます。
なぜ聴衆と目を合わせてスピーチできないのか
聴衆と目を合わせられない人が共通して言われるのが、
話を忘れたらどうしよう。
これを心配している方がとても多いです。
確かに、スピーチの際に顔を上げて聴衆と目を合わせるということはその間は原稿を見れないことになります。
その間の話しを忘れてしまって「うっ…」となってしまってはたまったものではないと思うのは自然なことです。
わたしも、話の内容が飛んでしまって口を動かそうにも動かせないもどかしさと恥ずかしさは何度も経験しました。
だからこそお伝えしたいのですが、
そこを絶対乗り越えましょう!
その過程で何度か失敗することもあるかもしれません。
怒られることもあるでしょう。
でも、そこを乗り越えられればあなたの話の魅力は急上昇します。
そこは間違いないです。
あとで説明する方法を使って聴衆と目を合わせる練習に是非チャレンジしていきましょう。
なぜ聴衆と目を合わせてスピーチできないのか?別の理由は、
気まずさ。
を挙げられるのではないかと思います。
見られるのも気まずい、見るのも気まずい。
というか、どこ見て良いかわからない。
そんな気持ちになることもあるかと思います。
聴衆がどんな思いで聴いているかわからないですし、目を合わせるということは聴衆の反応をダイレクトに感じることにも繋がりますから視線を送るのに躊躇してしまうかもしれません。
しかし、よほどアウェーな場所で話すとなるとそうなるかもしれませんが、たいていの場合聴衆はあなたの「味方」ではないでしょうか。
少なくとも全員があなたに悪い感情を持った人ではないですよね。
そうであれば、目を合わせないほうが逆に良く思われないと発想を変えた方がいいです。
例えば、1対1で話しているときにほとんど目を合わせないで話す人と信頼関係が深まると思いますか?
あるいは友達と思っていた人が急に目線を合わせなくなったら不審に思いませんか?
それと同じ事がスピーチにも言えます。
スピーチの場合1対多数ですが、基本は1対1の話しと大差ないのです。
話し手であるあなたから見ると1対多数ですが、聴いている聴衆は1対1で聴いているのです。
そう考えると目線を合わせる方が自然だと思えてくるのではないでしょうか。
では、それを踏まえた上で次のことを考えましょう。
聴衆と目線を合わせてスピーチをするために何ができるか?
最初は、視線を合わせる箇所をあえて作りましょう。
慣れていないうちは強制的にでもそうする環境を作る必要があります。
つまり、ここに来たら聴衆を見る。
ただ見るだけでなく特定の誰かを見る。
これを決めておいて、原稿かメモに書き込んでおいてください。
そしてそこに来たら躊躇なく見るようにしましょう。
それに慣れてきたら、聴衆を見る時間や人数を徐々に増やしていきましょう。
最初は1人を見るのがやっとであっても、2人、3人と見る人を増やしていけば徐々に自信も付いていきます。
そうすると次第に目線を合わせた方が話しやすいことに気づいていくと思います。
また、聴衆を見ている間話が飛んだら…と思う場合、最初のうちは聴衆を見るときのフレーズや文章は覚えるしかありません。
そうなると聴衆を見る時間が短くなると思われるでしょうが、それは仕方のないことです。
覚えられる量には限界がありますからね。
でも、スピーチに慣れてくると話しを一個一個の文章としてではなく「流れ」で把握できるようになります。
流れを把握して話すと、この流れだから「この言葉を出そう」「この文章を言おう」という形に変わっていきます。
そうなってくると、細かな言葉遣いにあまり気を遣いすぎなくなり「同じ意味の内容が言えればOK」くらいの感覚になってきます。
そこまでいければ、あとは聴衆と目を合わせるのは難しいことではありません。
一人一人に語りかけるように話せば良いんです。
先に書いたとおり、聴衆は1対1の関係で聞いています。
つまりある種あなたに「わたしに対する話しですよね」と期待して聞いているのです。
その期待にあなたが応えてあげる最も良い方法は、目線を合わせることです。
そうすると聴衆のあなたの話への信頼度がグッと上がり、あなたの好感度も上がるおまけも付いてきます。
あなたが準備したスピーチを真剣なまなざしで聴いている聴衆を思い描いてみてください。
あなたの話に納得して何度もうなずいて聴いている聴衆を思い描いてください。
あなたの話で感動して心震わせている聴衆を思い描いてください。
そんな聴衆を見たらあなたも心動かされてもっと話しに情熱がこもると思いませんか。
もっと沢山の情報を伝えたいと思いませんか。
そうなるためには、あなたが聴衆を見ないことには話しが始まりません。
自分にそんな話なんかできないと決めつけず、まずは一人ひとりと目を合わせてみてください。
そうするとあなたのスピーチに対する考え方も変わってきます。
スピーチをされる方なら絶対に身につけておいた方が良い技術なのでぜひ頑張ってみてください。