話し方の速度に関してどれくらいが最適なスピードなのか迷う方がおられます。
確かに1分間に300文字で話すのが最適と言われているところもありますが、本当にそうなのでしょうか?
このページでは
- 最適な話し方のスピードとは?
- もっと大事なのは話し方のテンポ。
上記2点に絞って解説します。
Contents
最適な話し方のスピードとは?
先に書いたように1分間に300文字という目安ですが、これはあくまで目安です。
個人的にはあまり気にしないほうがいいと思っています。
なぜかというと話しているときの速度とはその内容によって都度変わるからです。
常に一定の話し方はお坊さんの読経と一緒でそのうち眠くなります。
お坊さんだって寝ないようにするために木魚叩くくらいですから何もしないで一定のスピードで喋ると聴衆がどうなるかは想像に難くありませんよね。
ですから何文字と決めてしまうよりも、各部分部分でスピードを変化させるのが最適と言えます。
では、話の中のそれぞれの部分でどんなスピードで話すのが良いのでしょうか?
これは感覚的な話になりますが、目安として参考にしてください。
〇ゆっくりとしたスピードで話したほうがいい部分
話の導入部分:ここはゆっくりと話し始めたほうが聞きやすいです。
聴衆は話始めの時には聞くための準備が心も体も整っていないんです。
聴衆は会場や会議室に入ってきたばかりかもしれない。
メモを取るためにPCやメモの準備をしているかもしれない。
話の直前まで違うことを考えていて聞く準備が整っていないかもしれない。
こういう状況は現に生じるものです。
ですから、自分がこれから何を話しどんなことを伝えたいかを述べる導入部分はゆっくりと話し始めるほうが聴衆はついてい行きやすいです。
話の要点:話の各セクションのポイントやその話の中の一番大事な部分は努めてゆっくりと話したほうが効果的です。
そうしないと他の話と混同されて聞き流されてしまうからです。
要点は聴衆に覚えてもらいたい大事なポイントなので、それまで話してきたスピードから、スローダウンしてゆっくりと話し「ここが大事」ということを聴衆に伝えた方がより意味を持ちます。
エピソードのメイン部分:誰かのエピソードや体験談などを話すことがあるでしょう。その時にはそのエピソードすべてが話に関係しているわけではありません。
自分の話と最も関連の深いエピソード部分、つまり山場になる部分に関してはゆっくりと話したほうが効果的です。
話の要点の部分と同じですが、そうしないとそのエピソードの何が話と関係していたのか聴衆は理解できないからです。
話の結論:結論部分は大事なポイントを振り返り聴衆を何らかの行動に促す部分となりますので、ここでもやはりスピードを落としてポイントをゆっくりと伝えることが効果的です。
ただ、話の結論部分になってくると話し手自信が熱くなっているケースが多いのでアップテンポで結論に突入するケースが多いです。
そこは練習時なども特に意識してゆっくり話すようにしましょう。
〇速いスピードで話したほうがいい部分。
説明部分:統計の数字や事例の説明、エピソードの状況説明など、聞けばわかるという話の部分に関してはスピードをあげて説明したほうがいいです。
だからと言って早すぎるのは良くないですが、ここに無駄に時間をかけるのは聴衆を退屈にさせてしまいます。
〇特徴別話のスピードの調整方法。
早口の人:普段から早口の人は努めてゆっくりと話しましょう。
「こんなスピードだとまどろっこしい」と思うほどゆっくりを意識したほうがいいです。
早口の方の代表と言っては何ですが、銀シャリの橋本さんのネタ中の話し方はかなり早口ですよね。
わたし個人は彼らのネタはとても好きなので気にならないのですが、家族は、「面白いのはわかるけど何言ってるかついていけない」と話しています。
橋本さんの場合それが持ち味なのでやめる必要はないのですが、もしほかの人から「速さ過ぎてわかんない」と言われた経験をお持ちの方は是非意識してください。
早口な話は聴衆の頭の中に残らず言葉が単純に通過していくだけです。
ゆっくりしゃべる人:ゆっくりしゃべること自体は悪いことではありません。
その場合は、全体的にアップテンポで話し、ポイント部分だけいつもの自分に戻る。こんなイメージで話すと良いでしょう。
また、ゆっくり話す方の中に歯切れの悪い喋り方をする方が一定数おられます。
だらだら喋っているような印象を持たれてしまう可能性があるため要注意です。
これはスピードとは関係ない部分ですが、その場合一語一語をはっきり喋るほうが良いです。
そうするとゆっくり話していてもだらだら感のない話ができるでしょう。
もっと大事なのは話し方のテンポ
これまで、話し方のスピードに関してお伝えしてきました。大事な点はゆっくり、そうでない部分は早めに、これを意識することが話の最適なスピードと言えます。
これを取り入れるとどうなるかというと、
テンポのいい話になります。
もちろんテンポの良さはスピードだけでなく話の構成も関係しますが、ここでは話し方の速度という観点からのテンポを考えます。
テンポの良い話は聴衆にとってあなたの話が耳に心地よい響きとなり、要点を覚えやすくなって「良いことが学べた」と感じていただく大切な要素です。
ですから、スピードを意識するということはテンポを意識することに繋がります。
このテンポが非常に重要で、例えば音楽でもゆっくりした部分と速い部分が混ざっていますよね(もちろん例外もありますが)
それがその音楽の魅力を引き立たせて、また聞きたい、あるいは別の曲も聞きたいと思わせるのと同じように、テンポを考えた話し方はあなたの話をもっと聞いていたいと感じさせるのです。
逆に単音のままずーっと同じ音を聞かされると、飽きてきて最悪雑音にしか聞こえなくなります。
話も同じで、速度が常に一定でずーっと同じ口調の話し方だと聴衆にとってはもはやそれは音でしかありません。
それで、話のテンポを考慮しながら話すと基本的にはこんな感じになります。
・冒頭の言葉(ゆっくり)
↓
・説明(早く)
↓
・ポイント(ゆっくり)
↓
・説明(早く)
↓
・ポイント(ゆっくり)
↓
・説明(早く)
↓
・結論(ゆっくり)
話のスピードの項目でお伝えしたことをそのまま当てはめてみましたが、これだけでも話に波が出来る。
つまりテンポが生まれるのをご理解いただけるのではないでしょうか。
もちろん実際の話はこれほど単純ではありませんが、基本的なことを意識しただけでも話にテンポが生まれます。
是非話に緩急を付けてテンポを生み出す話し方を意識してみてください。
話し方の速度はどれくらいが最適なのか?まとめ
話し方他の速度は話す内容によって最適な速度がありますので下記を意識しましょう。
・重要な点はゆっくり
・説明部分は早めに
話すスピードに緩急が付けられたらテンポを意識しましょう。
・テンポよく話すことを意識する方が聴衆にとっては益になることを覚えておきましょう。
話の速度を意識することはとても大切です。
しかし、機械的に何分で何文字ということを意識し過ぎるのはあまり良くありません。
それは話の持ち時間や話す内容によって変化しますし、いつも一定のペースで話せるわけではないからです。
ですから、大事なところとそうでないところのスピードの差を意識してテンポよく話すことを意識しましょう。