コラム

聴衆に響くスピーチをしたときの失敗談

先日スピーチをしたのですが、グループ内ではよく知られているテーマだったこともあり、ちょっと別角度から話してみたり切り口を変えて話してみました。

終えた後友人たちと話をしていて大半は好意的な反応だったのですが、

なにやら後ろに気配を感じるんです。

ふと振り返ってみると、こちらをじっと見つめて立っている女性が一人。

一瞬の緊張感が走りましたが、女性がこちらに近づいてきました。

「あの~さっきのお話のこの点が、こんな感じでこんな感じで」と話初め、

「結局このことはどうなんですか?」と尋ねられたんです。

つまり、わたしが話したこととその方が知っていることの整合性がとれないのでどういう意味?ってことだったんですが、

わたしはその瞬間質問の意味を全部把握できず、恐らくこうかなと思う答えを提示しました。

しかし、そこからが泥沼の始まりでした。

女性:「いや、でも~」

わたし:「それはこう考えられますよね」

女性:「いや、でも~」

わたし:「だから、こういう考えでもいいんじゃないですか?」

女性:「いや、でも~」

わたし:「………」

こんなやり取りが5ラリーくらいあって、これ以上話し合っても不毛だなと思った私は「わかりました、わたしの説明が十分じゃありませんでしたすみません」

そう言って切り上げました。

幾ら話しても、重箱の隅をつつくような質問にいい加減疲れてしまったんです。

でも振り返ると私にも問題点がいくつかあるなと感じました。

この話を友人にしたら「それは、最初の時点でだめだよね」とバッサリ、

まずは最初の時点で意味が十分分からなければ、聞きなおすかはっきり「わからない」と答えておけばよかったです。

安易に答えられるかもと思って答えるといいことはありませんね。

ダメだとわかっていてもついついやてしまいがちな失敗です。

さらに、自分のスピーチの内容に関して想定される質問を十分に詰めていない。

これも良くないですよね。

もちろんすべての論点に関して一個一個やってると時間がいくらあっても足りませんし想定外のこともあるわけですが、

共通認識として通じるだろうという安易な考えが根底にあったように思います。

聞く人のレベルや、理解度、とらえ方や価値観は人それぞれ、全員を納得させることはできないかもしれませんが様々な人を想定しながらスピーチを作る。

これは基本中の基本ですよね。

ただ、あまりこれに偏りすぎると話が一般化しすぎてどんどん面白みがなくなってしまう。

ありきたりな話になってしまいます。

これでははせっかくの話なのにもったいないですよね。

そこで、もっと刺さる言葉を語ろうとして、切り口や表現を工夫してみると先ほどのような思いがけない質問が飛んでくる。

今回それに十分対応できなかったわたしはまだまだひよっこですね。

でも、抑えるべきポイントはわかりました。

切り口を変えたり、違った視点で話すときには、そこに好意的な反応が多く出る反面
反発しているわけではないんですがこれまでの考えとの整合性を求めて質問してくる人も一定数いることをもっと意識していないといけません。

反響が大きいであろうフレーズや表現を使うときにはその根拠やこれまでグループの中で知られている情報との整合性を自分の中でも取っておく必要があります。

まあ、取っているから話すんですがよりはっきりと「説明できるように」しておく備えが大事です。

自分の頭の中だけで納得しているようではいけません。

そして、全く想定外であれば「わかりません」と言える勇気も必要です。

今回の失敗を通してそんなことを学びました。

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キヨシ

スピーチコンサルタントのキヨシです。
スピーチ歴40年
これまで1500人規模の人の前で話すこと多数。
スピーチのコツやテクニックを体得。
このサイトは、
・話し下手を解消したい。
・わかりやすい話を作りたい。
そんな方のためのブログです。
目指すのは単にわかりやすい話ではなく
人の心を揺さぶるような話ができる人を一人でも多く作ることです。

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