話の上手な人は、インプットした情報をアウトプットするときに言い換えるのが得意です。
そうすることで、より一層自分のスピーチに聴衆を引き込むことができることを知っているからです。
この記事では。
- 言い換えが必要なのはなぜか?
- まずは自分のボキャブラリの中から変換する。
- 定義づけを変える
この3点を取り上げたいと思います。
Contents
言い換えが必要なのはなぜか?
「言い換える」というのは準備段階で調べた情報の表現をそのままスピーチに使うのではなく自分なりの表現に変換することを言います。
さて、スピーチの準備をしている時点で、様々な資料を調べることと思います。
その中に「自分が言いたかったこととピッタリだ!」と思う表現も出てくるでしょう。
もちろんそのまま使っても構わないんですが。
そう思ったとしても、できるだけ自分なりの表現に言い換えてみるのは大事です。
なぜでしょうか?
- その表現に対する自分の理解度が進む。
- 言い換えたほうが聴衆に訴えかける力が違う。
この2点があげられます。
反対に、これはいいと調べた資料の表現をそのまま使うと、どこか「借りてきた感」が出る。
つまり、自分のものになっていないのがバレてしまうんです。
聞いているほうは、「ああ、この人調べてきたことを切って貼って繋げてしゃべってるだけだな」というのがすぐにわかってしまうんです。
スピーチに慣れていないときは仕方ないですけど。
スピーチに慣れてきて、これからさらに上手になろうとする人にとってここは避けて通れないところです。
これが上達するとカリスマ的な力も出てくるくらいの威力がありますのでぜひチャレンジしてみてください。
言い換えの方法―まずは自分のボキャブラリの中から変換
じゃあどうやって話を言い換えたらよいのかを考えていきましょう。
見出しにあるように言い換えの初歩段階は、自分のボキャブラリの中から言い換え表現を探すことです。
資料で調べた言葉というのは洗練された言葉が選ばれているので、それを使うとかっこよく見えるんですが、そう見えているのは自分だけです。
聞いているほうはそれをあなたがどう理解したかを聞きたがっています。
ですから、まずはいい表現、いい言い回しを見つけたらそれを自分の中のボキャブラリの中から表現できないかを考えてみることが大事です。
ここで何をやっているかというと、
「その言葉の意味を自分の中で租借し腑に落とす」
この作業をやっていることになります。
つまりいい表現だなと思った言葉や文章をなぜ自分はいいと思ったのか?
この言葉や文章の意味するところとは何か?
どうやって説明するとわかってもらえるか?
これを考えていくと自然と最初に見た表現とは違う言い回しになっていると思います。
めんどくさいですけど、やってみる価値は十分にあります。
でも、「いい言葉が見当たらない」
そんな時には、ウェブ上にある類語辞典を調べてみる方法があります。
この中からそれに近い表現、中でも自分がしっくりくる表現を探してみることができます。
そやってすこずつでも表現を変えていく努力をしていくことであなたの話に深みが増していきます。
言い換えの方法―定義を変える
言い換えの技術は、言葉や文章を変換することだけではありません。
「定義づけを変える」
このこともその中に含まれています。
この技術は主に、セミナーなど自分主催でスピーチするような場面で効果を発揮します。
そしてこの技術を高めていけば高めていくほど、あなたのカリスマ度がぐっと上昇します。
何十万もするセミナーを行って多くの人を引き付け納得させ、逆に感動すらさせることができる講師の方はたいていの場合この定義づけの変換が上手な方です。
そうすることで、聴衆の今までの概念を打ち壊して、新たな視点を与え、自分が提唱する世界に引き込むことができるのです。
聴衆としては「そんなこと考えたことなかった!じゃあどうすればいいの?自分はこれからどう考えていけばいいの?」
こんな言葉が自然と自分の中に浮かんできて、もうその講師の世界観に取り込まれます。
どんどんその講師の方がカリスマ的存在になっていくのです。
これは悪用することも可能なので気を付けて使ってくださいね。
じゃあどうやって定義づけを変えていったらいいのでしょうか?
それは、今まで使っていて一般的に意味が知られている言葉を自分なりに定義づけする。
それも、できれば違う方向に定義づけすると効果が高いです。
小田真嘉さんという方のセミナーの中で「夢」に関する定義がありました。
夢って普通いいイメージがあるもので、これがあるから頑張れるとか、モチベーションを維持できる。
そんな言葉ですよね。
でも、その時言われたのが「夢とは、過去への復讐である」
「えっ?」
て思いませんか?
わたしは、そう言われた時かなり驚きました。
そうだとすると「夢」って危ないじゃん。
そう思いました。
でも、夢を持つというのは、純粋に何かへの憧れというケースもありますが、コンプレックスの克服、つらい体験を跳ね返す、これまでの暗くつらい状況からの脱却。
こんなことも含まれていますよね。
そう考えると、過去に起こったつらい出来事や無念を未来で晴らす。
これも夢に含まれることになります。
その側面から見ると夢とは過去への復讐という見方もまた真実となります。
この話には続きがありますが、ちゃんと話すと長くなるので止めておきます。
このように、今までの概念を覆すような定義づけの変更も言い換えの技術として持っておくとかなり話し手としての技量をアップさせることができます。
ここまではできなくても、今まで当たり前に使われていた言葉を違う方向から見てみるというのも良い方法です。
そうやって切り口を変えるだけで、新鮮な思いで聴衆は耳を傾けてくれるようになります。
言い換え上手になるためのまとめ
- 言い換えの技術とは、調べて出てきた表現を自分なりの言葉に変換することです。
- 言い換えをすることで、自分の理解も深まり、聴衆もより納得してくれる効果が生まれます。
- 定義づけを変える技術を身に着けると、聴衆に違う世界観を提示できあなたの話をもっと聞きたいを思ってくれるようになります。
- 定義づけを変えることができなくても、違った側面を探してそれを話しに含めてみましょう。
言い換えの技術は、変換作業に時間がかかりますし、最終的には自分のボキャブラリを増やすことも必要になります。
でも、この技術を身に着けるほうが絶対自分の理解度も深まりますし、相手への影響も高くなります。
これもぜひ身に着けてみてください。